防炎膜材と不燃膜材
2020.7.28|カテゴリー:テントの選び方
テントの事を調べていると、「不燃」や「防炎」という語を見かけると思います。
防炎と不燃はテント倉庫を建てる時に切っても切り離せない関係です。
膜材(シート)選びのときに保管物はなにか、価格を抑えるには?色選びになど様々な要因で選んでいくと思います。
防炎と不燃について解説をまとめましたので参考にして下さい。
1.防炎膜材と不燃膜材の違いは?
防炎膜材と不燃膜材の大きな違いは認定機関にあります。この2つは実はまったく別の認定による分類なのです。 防炎は消防法・消防庁・日本防炎協会で、不燃は建築基準法・国土交通大臣の認定膜材です。
2.防炎と不燃とは
2-1.防炎材料
防炎とは「燃えにくい」性質のことを指します。加工前の膜材は石油製品ということもあり、燃えやすい性質ですが、改良・加工をすると、小さな火元に接しても容易には着火せず焦げるだけです。もし着火しても自己消火性によって燃え広がらなくなる性質をもち、このことを防炎性能を言います。
建築基準法には「防炎」はありません。「つまり防炎膜材はテント倉庫に使えないって事?」と思ってしまいがちですが、ご安心ください。
防炎認定を受けている防炎膜材は、人の安全を最優先に考えており、そのための基準や定められた試験をクリアしています。特にテント倉庫などに使用される防炎膜材は、強度や厚みなどが基準を満たしていることから建築材料としての認定も受けています。
防炎性能試験の方法は以下の画像のように行われます。
2-2.不燃材料
不燃とは「燃えない」性質の事を指しますが、必ず燃えないという事はありません。不燃の性質を持つ不燃材料は、建築物の材料のうち、建築基準法で定める技術的基準に適合する不燃性を持つ材料を示します。一般には石・鉄鋼・コンクリート・ガラスなどが不燃材料に含まれます。
建築基準法が定める技術的基準に適合する建築材料には、不燃材料・準不燃材料・難燃材料の3つがあり、その中でも最上位にあたるのが不燃材料です。
不燃材料の基準として建築基準法では、通常の火災によって建物に火熱が加えられたときに、加熱開始後20分間、下の3つの要件を満たす事で不燃認定をもらえます。
- 燃焼しないこと
- 防火上有害な変形・溶融・き裂その他の損傷を生じないこと
- 避難上有害な煙又はガスを発生しないこと
これらを不燃性能と言います。
3.テント別おすすめ膜材
3-1.テント倉庫
まず、テント倉庫に使われる膜材には防炎膜材と不燃膜材しかありません。
特筆するような条件がない場合は、防炎膜材をおすすめします。
延焼恐れのある部分にテント倉庫を建てるときは、不燃膜材を使用します。
ですが、必ず1種類の膜材しか使えないという事はないので、延焼のおそれのある部分だけを不燃膜材にし、その他は防炎膜材にするといった組み合わせ技もできます。
3-2.伸縮式テント
ジャバラテントや開閉式テントなどは、防炎膜材を使用します。というのも、可動式のテントは不燃膜材の利用が認められていないからです。
不燃膜材にはガラス繊維が使用されており、折り曲げに弱い性質を持っています。折り曲げを繰り返す事によってガラス繊維が切れてしまうため、不燃膜材は利用できないのです。
まとめ
いかがでしたか?防炎膜材と不燃膜材への理解を深めていただけたら幸いです。
実際にテント倉庫の見積りをする場合には弊社営業マンがお客様のご要望に合った膜材を御提案させていただく形になるかと思います。
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