膜材料の性能について
2020.11.17|カテゴリー:テントの選び方
今回はテント倉庫・テントハウスの主要材料である、シート膜材(以下:膜材料)の性能についてご紹介いたします。
テントに使用されるシートにはたくさんの種類があり、中には特殊な機能性を付加させた膜材料も存在します。
どのような膜材料をテントに使用すれば良いか、選定するにあたってのポイントをみていきましょう。
1.シート選定ポイント
1-1.強度
テント倉庫やテントハウス・オーニング・間仕切シートなどに使われる膜材料はそれぞれの用途や利用形態毎に求められる「強度」が違ってきます。
室内の小さな間仕切りやカーテンに使われる膜材料の場合には、求められる強度はそれほど高く無いため、薄くしなやかな製品を各メーカー様が出されておられます。
一方で、建築物の屋根や外壁に利用される膜材料の場合では、風雨や降雪の影響を直接受けることから、膜材料にも充分な強度を求められます。
強度試験において基準値以上の強度が確かめられた製品は、指定建築材料として国土交通大臣から認定を受けることができます。
建築基準法ではテント倉庫・膜構造建築物などの建築物に膜材料を用いる場合、この大臣認定を受けた膜材料を使用する必要があると定めています。
1-2.色
一般的に膜材料を使用する部位は人の目に止まりやすい場所が多いので、色は見た目として非常に大切な要素と言えます。
さらに色は外観だけではなく、膜材料としての機能性にも関わってくることをご存知でしょうか?
膜材料を使用したテント製品には、屋外の自然光を室内に適度に採り入れられるという特徴があります。
白のような明るい色調の膜材料なら、晴天の日には照明が不要なほど屋内は明るくなるため、省エネにも貢献できます。
逆に黒などの暗い色調だと、ほとんど自然光が室内に入らなくなります。
例えば光をあまり当てたくない製品を保管する倉庫の屋根には、敢えて暗い色調の膜材料を採用するなど、目的によって色を使い分けすることが大事です。
また、夏場は屋内が非常に暑くなると言われるテント倉庫ですが、膜材料の色の違いで温度の上がり方にも違いが生じます。
黒系統の膜材料は赤外線の反射率が低く、赤外線を吸収しやすいために内部の温度が上がりやすくなります。
白系統の膜材料では赤外線の反射率が高く、吸収率が低いので比較的に温度の上昇は抑えられる傾向があります。
ただし、膜材料自体には断熱効果はないため、白系統の膜材料であってもテント内部が高温となる場合があります。
1-3.光触媒
膜材料の中にはセルフクリーニング機能を持つ製品が存在します。
俗に「光触媒」作用といわれ、膜材料の表層部に酸化チタンをコーティング処理した製品です。
酸化チタンに紫外線(太陽光)が照射されると、空気中の酸素や水と反応して光触媒作用が働き、膜材料表面の汚れを分解・除去します。これをセルフクリーニングといい、汚れが自然に落ちることから屋外で大勢の人が目にしやすい通路テントや庇などに適しています。また、光触媒作用には有機物や細菌に対しても効果が認められていることから、抗菌・脱臭といった医療用途としても広く活用されています。
酸化チタンは白色の粉末で、これを表面処理された膜材料はまばゆいほど白い輝きを放つのも光触媒膜材料の特徴です。
永くきれいに使いたい場合にオススメの膜材料です。
まとめ
このように、テントに使われる膜材料には様々な種類の機能性があります。
今回はその中でも代表的な性能をピックアップしてご紹介いたしました。
弊社ではお客様のご要望・用途に応じて、ご利用に最適な膜材料の選定を行っております。
今回ご紹介させていただいた機能性だけでなく、こんな用途に利用したいとか、こういった製品を保管するのに使えるテントはありませんか?というような、お探しの膜材料などがありましたら、お申し付けいただければ幸いです。